子供の頃、筆記具は鉛筆でした。小学校高学年になったあたりでシャープペンになりましたが、あいかわらず書いたものを消しゴムで消せるというのは、筆記具を選ぶ際にかかすことのできない条件だと思っていました。その頃通っていた近所の学習塾で、先生をしていた大学生の筆箱を覗くと、なんとシャープペンも鉛筆も消しゴムもなく、ボールペンのみ。へーっ、大人って、ボールペンだけでいいんだ! などと感心したものです。
そんなわたしも大学生が子供にみえる歳になり、すっかり普段持ち歩く筆記具はボールペンのみです。大人は試験を受けるようなことがないから、書いたものを消す必要がなく、鉛筆も必要ないのかなと思いますが、それはともかく、いろいろなボールペンをためしたけれども、いちばん使い心地がいいのがこれ。Bicの「オレンジ」。
定番中の定番、世界で初めて量産されたボールペンがこれらしいですが、最初のものがいまだに一番書き心地がいいというのもすこしおかしい感じがしますね。ボールペンにかぎらず筆記具を使っていて、イライラするというか、しらずしらずのうちにストレスになるのが、ペン先が紙に引っかかること。1回や2回ではおわりませんから、しばらく書いていると何度も何度も引っかかることになる。これはたいへんなストレスです。これは、ボールペンだとペン先が細いとなりやすいですね。
ペン先が滑らかに紙の上を走るようにするには、ペン先を太めのものにすればいいのです。しかし、そうするとこんどは違う問題が出てきます。そう、あのあたまにくるインクのボタ落ち。書きはじめやなんかにボールのところにインクが固まっていて、書き始めると、インクが「ぼたっ」とおちる。しかもその上を手でこすっちゃったりしてびゃーっとよごれが広がる! でも、Bicのはこれがない。ぜんぜんぼたっとでません。ふしぎですね。インクがいいのかな?
Bicオレンジのペン先は0.5mm、0.7mm、 1.0mmですが、1.0mmが一番いいです。0.7はすこし引っかかる感じ。0.5はダメです。ペン先がカリカリする。ただ、1.0mmだとローマンアルファベットとくらべて込み入った文字を書かなくてはいけない日本人にはちょっときついかもしれません。わたしはあまり細かい字は書かないようにしています。まあ、筆と墨で書く場合とくらべれば、ずいぶん細かい字を書くことができますね。っていつの時代だ…
色は黒、青、赤の3色ですが、黒は色がイマイチなので、わたしは主に青を使っています。この青がまたいい色なのよね。青すぎず、黒すぎず、いいかんじの青色。あとはときどき赤をつかうぐらいかな。赤はそういい色でもないです。 そんなわけでたいてい青と赤の2本を持ち歩いているので、できれば2色1軸のやつで青赤の組み合わせのがあるといいのだが、これが日本では売っていない。製品ラインナップにはあるんですよ。日本では売ってないだけ。なんで? 青赤鉛筆とかは普通に売られてるんだし、需要はあると思うのだが…まあ、オレンジ2本の方が見た目がおしゃれでいいけどね。
というわけで、かき心地もよく、みためもよく、おねだんもやすいと三拍子そろったこのBicのオレンジですが、気を許すと中国製が混ざってきます。 写真1.でいうと真ん中の青3本がフランス製。両側の赤黒2本づつが中国製です。
よく見て欲しいのですが、「Bic Medium 1.0mm」なとかいてあるつづきに「France」と黒文字で 書いてあるのがフランス製、書いてないのが中国です。
中国製のは、「Bic Medium 1.0mm」などとかいてある面とは違うところにずらして、
しかもオケツの方(軸のペン先と反対側のほう)にインクの載っていない文字で
「CHINA」と目立たないように書いてある。 ちょっとこそくなかんじ。
まあ生産地がどこだろうと、おなじものならば問題ないのですが、しかしこれが品質にも差があるようで、CHINAの方がペン先が紙に引っかかりやすい。気がする。気のせいかと思って、ブラインドテストしてみたけど、やっぱりフランスのがなめらかな感触でした。
というわけで、Bicオレンジを買うときはよくみてかわないとだめ。値段は、普通の小売店では中国製だから安いということはないみたいです。このへんだと案外売ってるところが少ないのが難点だなあ…100円ショップをのぞくと2本100円で売られていたりしますが、たいてい中国製だし、黒の0.7mmしかなかったりする。こまるねえ。
参考文献